【12月16日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は10日、スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)が撮影した、「オメガ星雲(Omega Nebula)」「白鳥星雲(Swan Nebula)」などとして知られる散光星雲「M17」の新しい赤外線画像を公開した。

 M17星雲は、約6000光年先のいて座に位置し、中心部に大型の星が多数存在する。これらの星はこの領域では最大級で、膨張ガスの強い流れを発している。ガスは川のように、厚く重なっている物質を押し流し、画像の中心部に見られるように深い空間を作り出す。

 一方、周辺のほかの星が発する圧縮されたガスとちりの流れがこの流れを押しとどめており、高速で進むボートの舳先で重なり合う波と似たような弧状衝撃波(バウ・ショック)が起きる。スピッツァー望遠鏡は圧縮されたガスとちりが発する赤外線をとらえている。

 この画像では確認できないが、中央の空洞部分の左上に3つの弧状衝撃派が発生しており、中心部の大型の星が発する恒星風の流れに沿って、笑った口のような曲線を描いている。(c)AFP