【9月19日 AFP】冷静な人には自由主義者、感情の激しい人には保守主義者が多いとした米国の科学者らによる研究結果が18日、科学誌「Science Magazine」に掲載された。

 研究は、米国テキサス(Texas)のライス大学(Rice University)、ネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)、イリノイ大学(Illinois)、バージニア州の精神医学および行動遺伝学研究機関「Virginia Institute for Psychiatric and Behavioral Genetics」の研究者らが合同で行った。

 研究チームは、無作為に選んだ人びとに対し電話調査を行い、強い政治的信念を持つとみられる46人を選び、アンケートへの記入を依頼した。

 その後、被験者らは突然、大きな音を聞かされたり、顔面を這う巨大なクモに怯える人や血まみれの顔、ウジ虫がわいた傷口など恐怖感を与える映像を見せられた。これは、被験者たちが、予期せぬ危険を感じた際の瞬きや皮膚の水分量といった生理的な反応を調べるためだ。

 こうした生理的な刺激に強い反応を示したのは、軍事費増強、宗教教育、死刑制度を支持する保守派の人びとだった。一方、海外援助、平和主義、同性結婚、中絶の権利などを支持する自由主義派の人びとは、生理的刺激に対して比較的冷静だったという。

 研究チームは、政治的信条がこうした刺激反応に影響しているのか、また逆なのかは不明だとしている。(c)AFP