【11月25日 AFP】グーグルの「Android(アンドロイド)」搭載のマートフォンやタブレットが、その優れたイノベーションと価格を武器にモバイル市場でアップルのシェアを奪っている。スマートフォン市場の現状についてアナリストらが分析した。

 IT専門調査会社のIDCによると、アンドロイド搭載のスマートフォンの出荷台数は、2012年第3四半期に世界で1億3600万台に達し、前年同期比で約90%増を記録、また出荷されたスマートフォンの約75%にアンドロイドが搭載されていたという。2008年に登場して以来、アンドロイドは着実にそのシェアを拡大し、スマートフォン市場の成長をけん引してきた。

 同社の調査ではまた、第2四半期のタブレット市場で、アップルのシェアが65%から50%強に落ち込んだことも明らかになっており、このこともアンドロイド搭載機種の優勢を物語っている。

 調査会社NPDグループ(NPD Group)のアナリストは、「(モバイル機器においては、)豊富な機種や広い価格帯、そして多くの作り手(メーカー)が存在していることは強み」と指摘する。またIT分野の調査・コンサルティングを行うガートナー(Gartner)は、プラットフォームが「オープンソース」であるアンドロイドには、イノベーションの面でスピード感があり、このエリアではアップルよりも優れていると説明した。

「アンドロイドには、開発者やメーカー、さらには消費者、デザイナーをも巻き込んだすばらしいフィードバック・ループがある。一方のアップルは、社内に素晴らしいビジョンがある限りはうまくいくだろう。しかしアンドロイドが持つフィードバックのシステムがない」

 スマートフォンの購入者層が変化したことも、アンドロイドを後押ししているようだ。調査会社フォレスター(Forrester) のアナリストは、スマートフォンが市場に出回り始めた当時、関心は価格よりも新しい技術へと向けられたが、しかしスマートフォンが主流となった今、価格も重要なポイントになったと指摘している。(c)AFP/Glenn Chapman