【6月9日 AFP】米グーグル(Google)は8日、スイス連邦最高裁が、同国におけるグーグルの無料オンライン地図情報サービス「ストリートビュー(Street View)」について、表示される人間の顔や車のナンバープレートの全てにぼかしを入れる必要はないとの判決を下したことを歓迎した。

 スイスのデータ保護監視当局は2009年11月、ストリートビューがスイスのプライバシーに関する法律を尊重していないとして、グーグルを提訴。同国下級裁判所は2011年に、ストリートビューで表示される全ての人間の顔や車を特定できないよう修正することを命じたが、グーグルがこれを不服として控訴した経緯がある。

 スイスの通信社ATSが報じたところによると、最高裁は判決文で、全ての人間の顔や車のナンバーをぼかすことは行き過ぎた措置だが、個人は自分が不安を覚えるデータがあれば、それを見えなくするよう要求することができるとした。また病院や学校、裁判所など特に配慮が必要な場所の周辺では、顔などを特定できない措置を講じるべきで、また庭など私有地の画像についても同意なしにネット上に公開すべきでないとの判断を示した。

 グーグルのスイス現地法人法務責任者は「人の顔や車のナンバープレートを自動的にぼかすシステムなど、個人の生活が侵害されないようチェックし、保護する有力なツールの存在が認識され、控訴の重要な点においてわが社の主張が認められる判決が下されてうれしい」と述べた。(c)AFP