【3月12日 AFP】ドイツ・ハノーバー(Hannover)で前週開催された世界最大の情報技術見本市「CeBIT」では、たった3分で来場者の似顔絵を描いてみせる「ロボット画家」が注目を集めた。ただ、少々精巧すぎる仕上がりに不満を抱く人もいたようだ。

 似顔絵描きロボットを設計したのは独フラウンホーファー研究機構(Fraunhofer Institute)。ロボットはまず人物の顔のモノクロ写真を撮影し、コンピューターの頭脳で写真から顔のコントラストと輪郭をとらえ、「見たまま」をスケッチに起こす。

 だが、人間の画家と異なり、ロボットは真正直に見たままを描いてしまう。そのため、せっかく似顔絵を描いてもらっても「ひどい扱いを受けた」と感じる場合も出てくるという。

「がっかりして立ち去る人もいますね」と、開発に携わった研究者のカリン・シュタイン(Karin Stein)氏は認めた。たとえば唇の小さい人の場合、輪郭やコントラストがはっきりしないため、ロボットは短い直線だけで表現する。結果、とても小さな唇になってしまうのだが、これが人びとには喜ばれない。

 ロボットは肖像画を3分きっかりで仕上げることができるが、多くの場合、完成には10分前後をかける。「(肖像画家の多い仏パリの)モンマルトルでの体験を再現したかったんです」とシュタイン氏は語っている。(c)AFP