【12月6日 AFP】米国の10代を対象にした調査で、性的なメッセージや画像を携帯電話や電子メールでやりとりする「セクスティング(sexting)」と呼ばれる行為の経験があると答えた若者は2.5%程度だったという結果が5日、米小児科専門誌「ペディアトリクス(Pediatrics)」に発表された。

「セクスティング」の中にはポルノ禁止法に抵触する行為もあり、最近ではセクスティング行為が発覚した米議員が辞任したことでも注目を浴びている。

 しかし、ニューハンプシャー大学(University of New Hampshire)「子どもに対する犯罪研究センター」に所属する報告論文の主著者、キンバリー・ミッチェル(Kimberly Mitchell)氏は、「セクスティング行為を発見した学校や親たちが大きく問題にするので、耳にしたことがある人は多いと思うが、実際にセクスティングを行っている若者はごく少数にすぎない」と話す。

 調査では、米国内の10~17歳のインターネット・ユーザー1560人を対象に、携帯電話やインターネット経由で、性的な写真や動画を作成したり送受信した経験を尋ねたところ、過去1年にこうしたセクスティングを行ったことがあると答えた子どもは2.5%だった。また胸や尻、性器などを露出した画像など、児童ポルノ禁止法違反の可能性があるセクスティングを行っていた子どもは1%にとどまった。

 チームは別の調査で、警察が捜査した米国内のセクスティング事件の大半では、未成年が逮捕されていないことを発見した。全米の捜査機関から集めた675事例のうち、10代の逮捕につながった事例は36%あったが、それらはセクスティング画像を使って他の若者に脅迫や嫌がらせをするなど、より悪質な行為が加わった場合で、悪質行為が伴わない場合の検挙率は18%だった。また、セクスティングによって性犯罪者登録された10代の若者で、性的暴行など他の重罪も犯していた若者はほとんどいなかった。

 2つの調査結果から研究チームは、携帯電話やネットで10代の子どもたちの性的画像が広く配信されていることはまれで、親たちや若者たち自身、警察が懸念しているような深刻な事態はないと結論付けた。

 調査に回答した10代の90%は、自分が写した画像は送信した相手以外には広がっていないと答えている。警察が関心をもった例でも、その3分の2の画像は受信者の携帯電話内にとどまっており、ネット上で広がった形跡はないという。(c)AFP