【6月21日 AFP】理化学研究所(RIKEN)と富士通(Fujitsu)は20日、共同開発中の次世代スーパーコンピューター「京(けい)、K」が同日発表のスパコン世界ランキング「Top500」で1位になったと発表した。同ランキングで日本のスパコンが世界1位になるのは、2002年6月から2004年11月までトップに君臨し続けたNECの「地球シミュレータ(Earth Simulator)」以来。

 1秒当たりの計算速度は8162兆回(8.162ペタフロップス)で、前年11月の同ランキングで1位になった中国・国立スーパーコンピューティングセンター(National Supercomputing Centre)のスパコン「天河1号A(Tianhe-1A)」の2566兆回(2.566ペタフロップス)を3倍以上も上回った。

 両社は、「京」の活用で「シミュレーション精度や解析計算速度が飛躍的に向上し、例えば、高効率な太陽光発電に資する新材料開発の加速、防災計画に資する精密な気象予測や地震・津波影響予測など、産業応用から国土・国民の安全に関わる幅広い分野において大きな貢献が期待される」と述べている。

 神戸にある理研の研究所で2010年10月に始まった「京」の構築は現在も進行中で、2012年6月までに完成する予定。現時点で6万8544個のCPUと672筺体で構成されるが、完成時には8万個以上のCPUを搭載し、最高性能10ペタフロップスを目指すという。(c)AFP