【6月3日 AFP】爆弾の製造方法を解説しているインターネットマガジンを開くと、なぜか、カップケーキの完璧な作り方のウェブページが開いてしまう。英秘密情報部(MI6)がこのほど、テロリスト育成を阻止するためのこんなサイバー作戦を開始したと、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)が3日報じた。

 問題の雑誌は、アルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian PeninsulaAQAP)」の指導者の1人、アンワル・アウラキ(Anwar al-Awlaki)師と米国人サミル・カーン(Samir Khan)氏が発行する「インスパイア(Inspire)」。全67ページで、爆弾の作り方などが英語で解説されている。

 テレグラフ紙によると、同誌の特集記事「Make a bomb in the Kitchen of your Mom(ママの台所で爆弾を作るには)」をダウンロードしようと試みると、お菓子作りのウェブサイト「The Best Cupcakes in America(米国で最高のカップケーキ)」が開くよう、細工されているという。

 誘導先のサイトは、米テレビ番組「ザ・エレン・デジェネレス・ショー(The Ellen DeGeneres Show)」が作成したもので、ホワイトラムやバニラバタークリ―ムなどを使用したお菓子のレシピが並んでいる。ちなみに、「インスパイア」に掲載されたパイプ爆弾のレシピの方にも、材料に砂糖が含まれている。

 同紙によると、米英はインスパイアの発行以来、サイトを妨害する計画を独自に練ってきたが、米国はサイトが遮断されると重要な情報源を失うことにもなりかねないと判断し、妨害計画を中止したという。(c)AFP

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