【2月18日 AFP】「ゲーマーは無法者のモーターサイクルギャングよりも怖い」。オーストラリアでアダルト向けPCゲームの規制緩和に反対する政治家が語った。

 ゲーマーへの恐怖を語ったのは、サウスオーストラリア(South Australia)州司法長官のマイケル・アトキンソン(Michael Atkinson)氏。ゲームのレーティング制度改正に拒否権を持つ同氏は、ゲーマーから脅迫状を受け取ったという。

 アトキンソン氏は15日夜、オーストラリア放送協会(ABC)に対し、「わたしは無法者のモーターサイクルギャングからも嫌われているが、わたしたち家族にとってはゲーマーの方が怖い」「モーターサイクルギャングたちが夜中の2時にわが家の玄関口をうろつくことはなかったが、ゲーマーはした」と語った。同氏は過去に、モーターサイクルギャングの撲滅を目的とする州法を成立させている。

■PCゲームの「成人指定」の是非

 オーストラリアでは、暴力的な描写や言葉づかい、裸体、ドラッグ使用といったアダルト向けのテーマを持った映画は「18歳未満禁止(成人指定)」としての放映が許可されている。一方、PCゲームに対するレーティングは「15歳未満禁止」までしかない。

 そこで政府は、PCゲームにも成人指定を導入するかどうかについての意見を公募した。ただ、制度改正には連邦政府と州(準州)政府の閣僚ら全員の賛成が必要で、その1人がアトキンソン長官だ。

 新党「ゲーマーズ・フォー・クロイドン(Gamers4croydon)」のクリス・プライアー(Chris Prior)代表は、ゲームにも映画と同様に成人指定が必要だと主張する。同党は3月のサウスオーストラリア州選挙でアトキンソン長官の対立候補の擁立を決めている。

 プライアー氏によると、海外で成人指定されたゲームが内容を変更されないまま、国内でより制限の低い「15歳未満禁止」指定で販売されることもあるのだという。また、成人指定が導入されたからといって、極度に暴力的なゲームで市場があふれかえることはなく、むしろゲームのカテゴリー区分がより明確になると主張する。

 同氏は、「西側の民主国家でゲームの成人指定がないはオーストラリアだけだ」と語った。(c)AFP