【1月9日 AFP】IT端末の画面を通して見える現実の風景に、デジタル情報の映像や文字を付け加える「拡張現実」と呼ばれる情報技術が近年注目を集めているが、米アダルト産業大手のピンクビジュアル(Pink Visual)ではこの技術を利用し、ポルノビデオの視聴者をバーチャルな世界に招き入れるソフトの開発に取り組んでいる。

「拡張現実の技術によって、視聴者は自分をビデオのシーンに入り込ませることができる」。ラスベガス(Las Vegas)で今週開催されたアダルト業界誌「アダルト・ビデオ・ニュース(Adult Video NewsAVN)」主催の展示会「アダルト・エンターテインメント・エキスポ(Adult Entertainment Expo)」で、ピンクビジュアルのキム・カイザー(Kim Kysar)氏は語った。

 このソフトを使用すれば、アニメーション化された登場人物を、自宅のパソコンに接続したウェブカメラで撮影した風景に重ね合わせることが可能になるという。「登場人物を自宅のキッチンや、自分のベッドの上に連れてくることもできる。わが社は『イメージ』を提供し、ソフトの使用者は『風景』を提供するわけだ」。

 ソフトはアドビフラッシュ(Adobe Flash)プレーヤーをベースにした双方向システムで、使用者はインターネット接続したパソコンとウェブカメラを準備し、カメラ前で同社のロゴがプリントされたカードをかざすとオンラインプログラムが始動する。するとウェブカメラが部屋の風景を撮り、その後、有名ポルノ女優やストリッパーをその風景の中に置くことができる。

 拡張現実技術は現在も開発途上だが、視聴者がバーチャルな映像と一体化する可能性は無限だ。

 有名ポルノ女優のデボン・リー(Devon Lee)はこのソフトを試すと「気に入ったわ」と話した。「特に、実際にその部屋にいなくてもいいというところがね」(c)AFP