【8月8日 AFP】6日にマイクロブログサービス「ツイッター(Twitter)」など複数の米大手ブログサービスサイトに一時的なサービス停止を引き起こした大規模なサイバー攻撃は、各ウェブサイトにグルジアを支持する意見を掲載していた1人のブロガーを標的にしたものだったことが明らかになった。

 大手インターネット・セキュリティー「エフセキュア(F-Secure)」の研究者、ミッコ・ハイポネン(Mikko Hyponnen)氏が7日に同社の公式サイトに掲載したところによると、今回の攻撃は不正なデータを大量に送りつけてウェブサイトを利用できなくする「DoS(サービス拒否)攻撃」というものだった。

 これにより、ツイッターのほか、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「フェースブック(Facebook)」、ブログ・コミュニティー「ライブ・ジャーナル(LiveJournal)」、グーグル(Google)傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」のウェブサイトに一時的にアクセスできなくなる障害が発生した。

 攻撃はすべて、これらのサイトに「Cyxymu」という名前でアカウントを持っているブロガーを標的にしたものだったという。Cyxymuはツイッターにグルジア問題に関してロシア当局を批判する書き込みを行い、それを当局から妨害されたとして非難していた。

「今回の攻撃の背後に愛国的なロシアのハッカーがいて、体制に対するオンライン上の批判的な発言を封じ込めようとしたと考えるのが妥当だろう」とハイポネン氏は指摘する。

 もっとも今回の攻撃を機にツイッターでCyxymuをフォローしている人はそれまでの2倍近い642人に増えた。攻撃者の思惑とは逆の結果になったようだ。

 ツイッターは6日早朝に1時間以上アクセスができなくなった。7日もFacebookとLiveJournalではCyxymuのページにアクセスできないなど攻撃の影響は残った。ツイッターはフェースブックとグーグルと協力し合い、今回の攻撃について調査を進めるもよう。

 一般の人にとってツイッターは「つぶやき」を書き込むツールでしかないが、言論の自由が抑圧されている国の反体制派の人にとっては検閲を逃れる「武器」となっている。(c)AFP/Glenn Chapman