【4月13日 AFP】赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)は13日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じた人道支援の促進活動を開始した。世界各地の個人をつないで、双方向の人道支援活動をめざす。

 SNSサイトの立ち上げは、赤十字創設のきっかけとなったイタリア統一戦争時の「ソルフェリーノの戦い(Battle of Solferino)」から150周年を記念する行事の幕開けとなるものだ。

 スイス人の実業家、アンリ・デュナン(Henry Dunant)が1859年6月24日に起こった「ソルフェリーノの戦い」の悲惨さを目の当たりにし、中立的な人道支援団体の設立を呼び掛けたことから、国際赤十字が誕生した
 
「毎日のように、(世界の各地で)数え切れないほどの勇気ある物語が、誰かに語られる時を待っている」と話すICRCのコミュニケーション・ディレクター、イブ・ダコー(Yves Daccord)氏は、「伝えたいメッセージのある人なら誰でも、世界のどこからでも、地球上の反対側に住む人びとへメッセージを発信できる場を提供したい」と、SNSサイトの意義を語る。

 こうした人びとの入り口となる双方向4か国語によるウェブサイト(www.ourworld-yourmove.org)では、紛争の人的被害、難民問題、気候変動、疾病、飢饉などの実態を伝える。さらに、ユーザーもブログや動画、写真などを投稿することで、自身の経験を他者と共有できる。

 ICRCのインターネットコミュニティは、米SNS大手のフェースブック(Facebook)とマイスペース(MySpace)に開設された。ICRCへの動画投稿は「ユーチューブ(YouTube)」からも可能だという。

 ICRC広報のアンナ・ネルソン(Anna Nelson)氏は、SNSを通じて、同じ志を持った人びとを募りたいと説明している。(c)AFP