【9月5日 AFP】米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)内で、自身の豊富な「外交経験」を理由に、米大統領選挙の副大統領候補への「立候補」が相次いでいる。

 発端は前週、米大統領選で共和党の副大統領候補に無名のサラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事が起用されたこと。直ちにフェースブック内には、「I have more foreign policy experience than Sarah Palin(わたしにはサラ・ペイリンより外交経験がある)」と題されたグループが立ち上げられた。

「僕の家はギリシャ人一家の上の階で、エジプト人一家の隣だ。つまりサラ・ペイリンより(副大統領になる)資格があるってことだ」(ニューヨーク在住の男性)

「パリに旅行するためにフランス語のフレーズを幾つか覚えたよ。ペイリン氏よりはるかに外交経験があるんじゃないかな」(シカゴ在住の男性)

「最近、中華料理を食べたんだ。それで米中外交のエキスパートになったよ」(バーモント州在住の男性)

 グループを立ち上げたのは、ワシントン大学(University of Washington)学生のティモシー・ゴイダー(Timothy Goyder)さん。登録者数は、米東部時間で4日午後までに1万7000人を突破し、世界各国から10分に100人の割合で新規の登録がある。

 中には、「台湾出身だけど副大統領になれるかな?」と書き込む高校生や、米レストラン・チェーン「アイホップ(IHOPInternational House of Pancakes)」の店名の「インターナショナル」に引っかけて、このレストランで何回食事をした経験があるかを「外交経験」として主張する人たちまでいる。

 このグループに掲載されたメッセージによると、ペイリン氏は2007年にパスポートを取得したばかりで、これまで訪れた外国は3か国に過ぎないという。

 ペイリン氏の外交経験不足には批判が集中しており、共和党のある有力議員が擁護しようとして「(ペイリン氏が知事を務める)アラスカ州は、カナダと国境を接し、狭いベーリング海峡(Bering Straits)をはさんで目と鼻の先にロシアがある」などと苦しい説明をする場面もあった。ベーリング海峡は凍結すると、シベリア(Siberia)まで歩いて渡れることもあるが、この議員もそこまでは述べていない。(c)AFP