【10月30日 AFP】ハロウィーン(Halloween)を迎える31日、米国内では約3600万人の子どもたちが、仮装をして近所にお菓子をもらいに行く恒例のイベントに参加する。そうした子どもたちの安全を守るため、グロースティック(折ると光る棒)や反射テープといった従来の安全グッズだけではなく、GPS機能付き携帯電話のようなハイテク防犯機器を子どもたちに持たせる保護者が増えている。

 米通信事業大手スプリント(Sprint)の提供するサービスでは、GPS機能付き携帯電話の利用者の所在地を、パソコンや携帯電話を介して特定できる。

 米携帯電話事業大手ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)でも、契約者に同様のサービスを提供している。「シャペロン・サービス(Chaperone Service、シャペロンは『付き添い』の意味)」と呼ばれるこのサービスでは、インターネットや電話を介して子どもの居場所を特定できるほか、事前に子どもの移動エリアを設定しておけば、そのエリアから出た場合に注意を促すメッセージが親と子どもの双方に送られるという。

 ハロウィーンの恒例イベント中の1番の不安は、付き添いのない子どもたちが、そうとは知らずに性犯罪者の自宅に立ち寄る危険性があることだ。

 スプリント社ではそうした不安を取り除くため、性犯罪者のデータベースを公開する団体「Family Watchdog」と連携している。同団体は、全米50州で性犯罪者として登録されている人物の自宅と勤め先を網羅した地図を作成している。

 利用者は、データベースに登録された性犯罪者が近所に引っ越してきたり、あるいは他の場所に引っ越していったりすると、その情報を知らせるメッセージを受け取ることができる。それにより、自宅や託児所の周辺に性犯罪者がいるかどうか知ることができるわけだ。

 司法省でも全州の性犯罪者の居住先を登録したデータベースを公開しており、国民はこのデータベースから情報を入手することも可能だ。

 また多くの州では性犯罪者として登録されている人物に対し、ハロウィーンで子どもたちが外出する時間帯には地元の警察署か保護観察所への報告を義務づけ、子どもたちとの接触を事前に防ぐ対策をとっている。(c)AFP