【6月6日 RenewableEnergyWorld.com】省エネのためか自社PRのためか、米小売大手ウォルマート・ ストアーズ(WalMart Stores)が再生可能エネルギーの分野でも購買力を振るっている。自社の店舗で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーに転換するという非常に高い目標を掲げ、米国のソーラー発電が普及し始めたばかりの地域で先陣を切ろうというのだ。

 マサチューセッツ(Massachusetts)州のデバル・パトリック(Deval Patrick)知事は、2017年までに州内でソーラー発電25万キロワットを達成する目標を打ち出した。2007年にはわずか4000キロワットだった同州のソーラー発電容量は現在、10万キロワットまで伸びている。

 ウォルマートは2014年までに同州内にある27店舗の屋上に、総発電容量1万キロワットの薄膜太陽電池(PV)を分散導入し、マサチューセッツ州のソーラー発電に寄与すると発表した。

 これによって各店舗のエネルギー需要の10~15%を賄うという。実現すれば同州内最大の太陽エネルギー消費者となり、さらに拡大の余地もある。同州の目標から見れば小さなステップでしかないかもしれないが、自分の家の近くにウォルマートがあるのならば朗報だ。

 米環境保護庁(Environmental Protection AgencyEPA)のグリーン電力パートナーシップ(Green Power Partnership)によれば、ウォルマートは米国内で2番目に大きいクリーンエネルギーのオンサイト発電事業者で、年間の発電量は11億キロワット時。これは全世界にあるウォルマート店舗・関連施設のエネルギー需要の約4%にあたる。また2010年の時点で同社が外部から購入した再生可能エネルギー由来の電力は、同社の電力使用量の約18%に上った。

 ウォルマートが再生可能エネルギー100%の目標を達成するまでには、燃料電池やマイクロ風力発電、オフサイト発電の購入契約など多くの投資が行われる余地がある。(c)RenewableEnergyWorld.com/AFPBB News

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再生可能エネルギー専門サイト、RenewableEnergyWorld.comにこの記事の原文(英語)が掲載されています。