【4月6日 AFP】世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は5日、北極のオゾン層の破壊規模が過去最大を記録したと発表した。非常に寒い天候と大気中の有害物質が原因だという。

 北極のオゾン層は、冬の始まりから3月末までの間に40%減少した。冬の間の減少幅としては、これまでで最も大きかったときでもおよそ30%だったという。

「地球上の生物を有害な量の紫外線から守るオゾン層はこの春、過去例を見ないレベルにまで減少した。原因はオゾン層を破壊する物質が大気中にあることと、今冬の成層圏が非常に寒かったことにある」と、WMOは声明を発表した。

 オゾン層の少ない領域は3月末から移動し、グリーンランドやスカンディナビア半島上空に到達する。今後数週間、これらの地域では通常よりも高いレベルの紫外線放射に注意する必要がある。

 WMOは「今後数週間で正午の太陽高度が上がるにつれて、オゾン層の減少の影響を受ける地域では、通常よりも高い紫外線放射を受けることになる。それら地域では国が発表する紫外線予報に注意する必要がある」と、注意を促した。

 オゾン層を破壊するのは、冷蔵庫や一部プラスチック製品、一部エアゾールスプレーなどに含まれる化学物質のフロンガス。大半のフロンガスは1987年のモントリオール議定書で、段階的な廃止が求められているものの、大気中に長期間とどまり続ける。

 議定書の成果として、極地以外の地域のオゾン層は、2030~2040年には1980年代以前のレベルにまで戻るとみられている。また、南極のオゾン層は2045~2060年ごろ、北極のオゾン層はそれより10~20年早く回復するとみられている。(c)AFP