【5月17日 AFP】英エネルギー大手BPの石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)」の爆発・水没による原油流出が続くメキシコ湾の深海域で、大量の原油による汚染を科学者らが確認した。事故の被害規模が予想をはるかに上回る可能性が出てきた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が15日、調査にかかわった米ジョージア大学(University of Georgia)のサマンサ・ジョイ(Samantha Joye)博士の話として報じたところによると、「深海部には、海面部に流出している量に匹敵する量の原油があり、3層、4層、5層にわたって大量の原油が漂っている」という。

 これらの原油の「層」の1つは、長さ16キロ、幅5キロ、厚さ91メートルにわたって広がっていたという。

 事故後に沈没したパイプからは事故以来、毎日大量の原油が流出している。研究者らは流出原油量について、米当局およびBPの当初予測の日量5000バレルを最大で16倍上回り、日量2万5000~8万バレルに達していると推定している。

 海中に原油があると、酸素が奪われ、付近の海洋生物に甚大な被害をもたらすおそれがある。ジョイ博士によると、原油の層の付近では、一部で酸素量がすでに30%減少したことが確認されている。(c)AFP