【7月9日 AFP】北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)で主要8か国(G8)首脳が世界の食糧危機を協議する中、西アフリカのマリでは、反グローバリズム活動家らが「貧困者サミット」に集まり、アフリカの食糧問題について、地元の食糧を食べるようにすることで解決が可能だと訴えた。

 洞爺湖サミットに対抗してカチボウゴウ(Katibougou)で開催された「貧困者サミット」では、市場が開かれ、地元で生産されたコメやマンゴー、伝統的な医薬品、アフリカの伝統衣装などが並んだ。

■輸入食品を優先

 西アフリカの貧しい村に集まった活動家らは、地元農家や職人らの生産活動支援に取り組んでいた。

 マリの織物工を代表するOumar Diakite氏は、「洞爺湖サミットでは食糧危機について話し合っているが、見ての通り食糧はある。問題は、人々が地元の食糧よりも輸入食品を好むところにある」と話した。

 市場は、旧ソ連が建設した農業大学のそばの一角で開かれ、老若男女の大勢の人々が押し掛けた。市場には、新鮮な生産物が高く積み上げられた。

 Diakite氏は、(輸入食品が好まれる傾向について)「これは大問題。輸入製品に助成金を出す政府もアフリカにはある。それは地元の生産を破壊してしまう」と述べた。

 また、マリ最大の収入源である綿産業の民営化を非難し、「我々の指導者は、海外の資本家と手を組み、マリの綿産業を破壊している。数千人の農家が失業するだろう」と嘆いた。

■マンゴーの産地、流通に問題 シアバターは好調
 
 市場のある区画では、果物店でマンゴーの商談が行われていた。マリは、西アフリカでのマンゴーの主要な産地。

 地元の女性グループを代表するNinbou氏は、「マリではマンゴーは非常によく収穫できる。しかし、保管場所と輸出先という問題がある」と述べ、その問題点の解決に支援しない指導者らを非難した。

 市場の一方では、シアバターの取引も行われている。シアバターは、シアバターノキの種子からつくられる。シアバター業はここ数年間、欧州連合(European Union)がチョコレート生産でマリのシアバターの使用を許可したため、好調が続いている。欧州全域へ輸出されており、またフランスやドイツには、マリのシアバター産業を支援する団体もあるという。

 主要8か国(G8)は8日、アフリカに関する協議で、感染症対策支援として今後5年間で600億ドル(約6兆5000億円)を供与することで合意した。また、2005年の英グレンイーグルス(Gleneagles)サミットで誓約した、2010年までにアフリカ支援を250億ドル(約2兆7000億円)増額するとしたアフリカ支援の倍増を再確認した。(c)AFP