【2月22日 AFP】中国当局は国内で最も汚れているとされる湖のクリーンアップ作戦として、湖に繁殖する藻類を食べる魚を放流し、成長した魚を人間の食用として売るという奇策を編み出した。国営新華社(Xinhua)通信が21日、伝えた。

 汚染が激しい安徽(Anhui)省合肥(Hefei)の巣湖(Chaohu)に放流されたのは、ハクレンの稚魚5万匹以上。巣湖漁業局によると、今後20日間で155万匹を放していく計画だという。成魚レベルの体重に達するまでに、1匹40-50キロ分の藍藻(らんそう)類を食すると見込まれており、汚泥の浄化が期待されている。

 藻類を食べて成長したハクレンを漁師が捕らえて市場で販売すれば、稚魚のときの15倍の値段で売れるといい、地元の漁業活性化にもつながると新華社は伝えている。
 
 巣湖は中国で5番目に大きい湖。前年は悪臭を発する藍藻類の繁殖に悩まされ、水の供給や湖の生態系にまで危険が及んだ。藻類の繁殖により、シラスなど地元漁業の要である稚魚類の生息数が20%減少した。巣湖には周辺にある数百の工場が排水を放出している。

 中国政府の統計では、国内の運河や水路の70%、地下水の90%が汚染されているとされる。大半は数年にわたって未処理の下水を放置したり、工場からの汚染水を放出した結果だという。(c)AFP