【12月17日 AFP】米国政府は16日、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第13回締約国会議(COP13)で採択された京都議定書(Kyoto Protocol)後の新たな温暖化対策の枠組みを策定するための行程表「バリ・ロードマップ(Bali Roadmap)」に対し「深刻な懸念」を表明し、同行程表は早くも壁にぶつかっている。

 また米政府は合意内容について、中国、インドなどの新興国に対する温室効果ガス排出の削減要求が不十分だと批判した。

 COP13は、当初の予定を1日延長し15日も協議を続けたが、その席で米国代表団は譲歩の姿勢を見せ、最終的に合意を受け入れる意向を示した。しかし、それから数時間後にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権がポスト京都議定書では、経済成長とエネルギーの安定を追求する国家の主権が認められなければならないと主張し、反対の意思を示していた。

 米政府はバリ合意について一定の評価を示しながらも、「交渉開始に当たり、米国は今回の決定とは別の側面について深刻な懸念を持っている」と述べた。

 主要先進工業国の中で唯一、京都議定書に調印していない米国は、急成長を遂げている新興国に対し排出削減の目標達成を求めないのは不公平だと主張している。

 先進国の排出削減目標だけで気候変動に対応することは不可能であり、京都議定書後の温暖化対策の枠組みには新興国も巻き込む必要があるというのが米国の主張だ。(c)AFP