【11月14日 AFP】米非営利環境団体「憂慮する科学者連盟(Union of Concerned ScientistsUCS)」は13日、石炭液化油など一部の代替自動車燃料は、ガソリンやディーゼル油より有害な温室効果ガスを多く排出する可能性があるとの研究結果を発表した。研究によると、石炭液化油の温室効果ガス排出量はガソリンを80%上回る可能性があるという。

 石炭液化油は、自動車燃料としてガソリンの依存度が高い国で、ガソリンの代替燃料として注目されている。

 研究の中で、トウモロコシ由来のエタノールは、トウモロコシの栽培方法、エタノールの製造方法によって、ガソリンより環境を汚染するかどうかが決まると指摘されている。この研究は、米国で消費されている全ガソリン量の5分の1を2030年までに代替燃料に置き換えるとの条件で行われた。

 もし代替燃料の大半を石炭液化油にすれば、自動車3400万台分、汚染が深刻化する可能性もある。逆に、より環境に優しい「進化したバイオ燃料」を利用すれば、同程度の汚染を削減することができる。もっとも環境によい選択肢は、芝生や木片から作られるセルロース由来のエタノールで、汚染を85%以上削減できるという。

 研究の著者、パトリシア・モナハン(Patricia Monahan)氏は「ガソリンからの脱却は必要だが、できる限りクリーンな代替燃料で置き換えなければならない。悪いものを別の悪いものに換えるのはやめましょう」と呼びかけている。(c)AFP