【6月27日 AFP】ニュージーランドのクライストチャーチ(Christchurch)で開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の世界遺産委員会(World Heritage Committee)は26日、エクアドルのガラパゴス諸島(Galapagos Islands)を「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に加えたことを明らかにした。観光圧力の増加が原因。

 エクアドルの太平洋沿岸沖1000キロメートルに位置するガラパゴス諸島は19の島々から構成され、珍しい野生生物が生息する。1978年、世界で初めて自然遺産の一つとして登録された。

 ユネスコはパリの本部で声明を発表し、ガラパゴス諸島は侵入生物種、観光の成長、および移住によって脅威にさらされているとし、「観光客の滞在日数が過去15年間で150%増加、比例して移住する人口も増え、また島間の交通によってより多数の侵入生物種が持ち込まれている」と説明した。

 ガラパゴス諸島ではゾウガメやガラパゴスイグアナなど、世界のほかの場所では見られない種が多く見られ、この珍しい動物相は英国人科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の進化論の構想に影響を与えたという。

 エクアドルのラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領は今年4月、危機的状況にあるガラパゴス諸島は国家の最優先事項と宣言、観光圧力に対する規制措置を取り、観光やガラパゴス諸島出身者以外への居住許可を制限する命令を下している。(c)AFP