【マドリード/スペイン 30日 AFP】現在、世界人口の半分が都市部に集中しているが、50年以内にはその割合が「3分の2」に上昇する。29日にマドリードで開催された都市化に関する国際会議で、このような指摘がなされた。

 この会議にはサンパウロ、ミラノ、リスボン、ストックホルム、シンガポール、カサブランカの市長を含む世界各国の市長が参加し、人口の増加が自然環境と生活の質に及ぼす影響が協議された。

 会議に出席した経済協力開発機構(OECD)のアンヘル・グリア(Angel Gurria)事務局長は、都市部が排出する温室効果ガスは地球全体の70%にあたり、都市部における地球温暖化対策が急務であると訴えた。

 OECDによると、現在、人口が100万人を超える都市は世界に400あり、今後さらに増えるという。また、東京、上海、北京、メキシコ市、カイロ、ラゴス等の大都市では汚染が深刻で、生活の質に悪影響を及ぼしている。

 グリア事務局長は、都市は移民の流入による圧迫も受けていると指摘。スペインのジョルディ・セビリャ(Jordi Sevilla)公共行政相は、「都市は、創造性と改革の実践の場であると同時に、『深刻なソーシャルデバイド(社会的格差)』を醸成する場にもなっている」と語った。

 セビリャ公共行政相は、5月の地方選挙後に、都市部の生活の質に影響を及ぼす諸要因を特定するため、新たな研究に着手する計画を明らかにした。

 今月初旬には、パリでも、世界各国から地方自治体のリーダー200人を集めた「United Cities and Local Governments(UCLG)」会議が開催され、早急な地球温暖化防止策の重要性が確認されている。

 写真はマドリードの夕暮れ。(c)AFP/DOMINIQUE FAGET