【8月9日 AFP】野外ロックフェスティバルで喉が渇いても、もう長蛇の列に並んでビールを買う必要はありません――。南アフリカで開催中の野外フェスで、観客のスマートフォン(多機能携帯電話)とアプリで連動した無人機による「無料ビール投下」サービスが活躍している。

 観客がスマホアプリでビールを注文すると、無人機が頭上15メートルを飛んできて、パラシュートでビールを注文客の手元に落として届けてくれるのだ。

 南ア・リンポポ(Limpopo)州北部の農場で開催中のオッピコッピ(Oppikoppi)野外ロックフェスティバルのディレクター、カレル・ホフマン(Carel Hoffmann)氏の説明によると、この無人機はGPS(全地球測位システム)機能を使って注文客の居所を把握するという。

 無人機は南ア製で、旧約聖書の物語にちなんで「マナ(Manna)」と名付けられている。マナは、旧約聖書の中でエジプトから脱出するイスラエルの民が飢えないよう、神が天から降らせたとされるパンの名だ。

 今回、ビールは全て無料で、プラスチック製カップで届けられているが、マナは順調に仕事をこなしているという。「毎回、マナがパラシュートを落とすたびに、5000人もの観客が歓声を上げてくれます」と、ホフマン氏は語っている。(c)AFP