【9月2日 AFP】英ロンドン(London)の夏の風物詩となっているクラシック音楽祭「プロムス(Proms)」で1日、ズービン・メータ(Zubin Mehta)指揮によるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(Israel Philharmonic Orchestra)の演奏が、親パレスチナ・グループの抗議に繰り返し妨害されるハプニングがあった。

 ロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall)でのイスラエル・フィルの公演は、デモ隊が会場前に宿営してコンサート客らに「チケットを破いてしまえ」などと呼びかけていたことから、厳戒態勢の中で行われた。

 しかし、厳しい入場検査にもかかわらず30人ほどのデモ隊がホール内に侵入。イスラエル人バイオリニストのギル・シャハム(Gil Shaham)氏がマックス・ブルッフ(Max Bruch)のバイオリン協奏曲を演奏しようとすると、これを大声で叫んだりブーイングをしたりするなどして妨害し、BBCラジオ3(BBC Radio 3)の中継が中断するなどの影響が出た。

 抗議を行った親パレスチナ・グループのセーラ・コルボーン(Sarah Colborne)氏は先に、イスラエル・フィルがイスラエル軍の慰問公演を行うなど軍と強い結びつきがあることを理由に「平和と人権を支持する人は公演に行かないよう」呼びかけていた。

 プロムスは1895年に始まった英BBC主催の夏の人気クラシック音楽祭で、8週間で約100公演が行われる。今回のイスラエル・フィルの公演は、ズービン・メータ氏との初共演から今年で50年になることを記念するもので、メータ氏にとっては2003年以来のプロムス出演だった。(c)AFP