【2月28日 AFP】フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)を描き、現代人の精神的傾向をつかんだ『ソーシャル・ネットワーク(The Social Network)』だったが、27日に発表された第83回アカデミー賞(Academy Awards)では主要部門の受賞を逃し、期待はずれの結果となった。

 8部門でノミネートされていた同作は、編集賞、脚色賞、音楽賞の3部門では受賞したが、主要部門では作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞を受賞した『英国王のスピーチ(The King's Speech)』に完敗した。

 米国での興行収入が1億ドル(約81億円)近くに達しており、オスカー前哨戦のゴールデン・グローブ(Golden Globe)賞では作品賞を受賞。『英国王』を打ち負かしたが、そこまでだった。製作者とザッカーバーグ氏を演じ高い評価を得たジェシー・アイゼンバーグ(Jesse Eisenberg)は、傷を癒すしかないようだ。

 歌手のジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)もナップスター(Napster)の共同創業者ショーン・パーカー(Sean Parker)役として出演している『ソーシャル』は、2003年のハーバード大学(Harvard University)から物語がスタートする。

 映画でのザッカーバーグ氏の描写はお世辞にもいいとは言えず、製作者側とザッカーバーグ氏との関係は冷え込むと思われた。しかし数か月の考察の末、映画は互いにとって有益だという結論で、両者は落ち着いたようだ。

 脚本を手掛けたアーロン・ソーキン(Aaron Sorkin)はアカデミー賞授賞式で、ザッカーバーグ氏に敬意を表した。「19歳の時の自分を映画で描いて欲しい人がいるだろうか。彼は素晴らしく話の分かる人だと思う」

 10部門にノミネートされていた西部劇のリメーク『トゥルー・グリット(True Grit)』は1つもオスカーを獲得できず、大敗した。同様に6部門にノミネートされていた『127時間(127 Hours)』も受賞には至らなかった。

 作品ごとの受賞結果は以下のとおり。

■『英国王のスピーチ』--ノミネート12部門/受賞4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞)

■『インセプション(Inception)』--ノミネート8部門/受賞4部門(撮影賞、視覚効果賞、音響賞(編集&調整))

■『ソーシャル・ネットワーク』--ノミネート8部門/受賞3部門(編集賞、脚色賞、音楽賞)

■『ザ・ファイター(The Fighter)』--ノミネート7部門/受賞2部門(助演男優賞、助演女優賞)

■『トイ・ストーリー3(Toy Story 3)』--ノミネート5部門/受賞2部門(アニメーション賞、歌曲賞)

■『ブラック・スワン(Black Swan)』--ノミネート5部門/受賞1部門(主演女優賞)

■『トゥルー・グリット』--ノミネート10部門/受賞なし

■『127時間』--ノミネート6部門/受賞なし

■『キッズ・オールライト(The Kids Are All Right)』--ノミネート4部門/受賞なし

■『ウィンターズ・ボーン(Winter's Bone)』--ノミネート4部門/受賞なし
 
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