【6月10日 AFP】日本のイルカ漁を撮った米アカデミー賞受賞のドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ(The Cove)』の上映とシンポジウムが9日、都内のイベントホールで行われ、約600人が会場を埋め尽くした。同映画は、右翼団体の抗議を受け、3つの劇場が相次いで映画の上映を中止していた。

 同日の上映会のチケットは完売したため、30~40人がホール外のテレビ画面で映画を鑑賞した。ホール外では、数十人の警官が巡回警備していた。

 上映とシンポジウムを主催した雑誌「創(Tsukuru)」の篠田博之(Hiroyuki Shinoda)編集長は、「今日ここにいる人たちにお願いしたい。映画館に激励の声をとどけてほしい。応援するから上映をやめないでほしいと伝えてほしい」「上映中止を求めている人たちは何かをするぞといっているだけで、まだ何かしたわけではない」「これは映画館の完全な自主規制だ。映画『靖国』の上映中止問題とまったく同じ構造だ」と話し、メディアに対し、表現の自由の尊重を訴えた。(c)AFP