【2月21日 AFP】(一部更新、写真追加)ドイツ・ベルリン(Berlin)で開催された第60回ベルリン国際映画祭(Berlin Film Festival)の授賞式が20日夜(日本時間21日未明)行われ、若松孝二(Koji Wakamatsu)監督の『キャタピラー(Caterpillar)』に主演し、第2次世界大戦で傷を負った帰還兵の妻を演じた寺島しのぶ(Shinobu Terajima)さん(37)が最優秀女優賞(銀熊賞、Silver Bear)を受賞した。

 会場では、すでに日本に帰国した寺島さんに代わって若松監督がトロフィーを受け取った。

 最高賞の金熊賞(Golden Bear)は、トルコの田舎で芸術家を目指す少年が人間的にも成長する姿を描いたセミ・カプラノグル(Semih Kaplanoglu)監督(46)のトルコ・ドイツ合作作品『バル(原題、Bal 「はちみつ」の意)』が受賞した。トルコ作品が金熊賞を受賞したのは1964年以来。

 最優秀監督賞は『ザ・ゴースト・ライター(原題、The Ghost Writer)』のローマン・ポランスキー(Roman Polanski)監督(76)が受賞した。

 1997年の淫行事件に絡みスイスで軟禁状態のポランスキー監督は授賞式に姿を見せず、同作のプロデューサーが熊の形をした銀のトロフィーを受け取った。映画業界誌「ハリウッド・リポーター」は「論争を呼ぶ決定だ」と論評した。(c)AFP/Deborah Cole