【1月11日 AFP】メキシコで9日、メル・ギブソン(Mel Gibson)監督の新作映画撮影のため、刑務所の服役囚214人が5時間かけて別の刑務所に移送された。刑務所周辺には、移送に反対する服役囚の親族ら数百人が詰めかけ、軍も出動する事態となった。

 移送が行われた刑務所は、ベラクルス(Veracruz)州のイグナシオ・アジェンデ(Ignacio Allende)刑務所。同州の州知事は前年12月、ギブソン監督が州内で映画を撮影すると発表しており、ロケ地には同刑務所も含まれることを明らかにしていた。

 州知事によると、ギブソン監督は前年4月に同刑務所を訪れ、ロケ地として選んだという。

 同刑務所の所長によると、まだ残っている1100人の囚人たちも50キロ離れたビジャ・アルダマ( Villa Aldama)刑務所に移送される可能性があるという。

 ギブソン監督は2006年にも『アポカリプト(Apocalypto)』をメキシコで撮影したが、この作品は、残酷なシーンが描かれたことや、マヤ文明の重要性を軽視したと批判されたことにより物議を醸した。

 また、05年にはメキシコ湾のハリケーン被災者のために100万ドル(約9200万円)を寄付している。(c)AFP