【4月19日 AFP】アカデミー賞8冠に輝いた『スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)』でヒロイン役の「ラティカ(Latika)」を演じた9歳の子役、ルビーナ・アリ・クレシ(Rubina Ali Qureshi)さんの父親が、ムンバイ(Mumbai)のスラム街での貧困生活から抜け出すため、ルビーナさんを高額で養子縁組みさせようとしていたことが明らかになった。英ゴシップ紙ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)が19日、報じた。

 同紙によると、ルビーナさんの父親のラフィク・クレシ(Rafiq Qureshi)氏は、ルビーナさんを2000万ルピー(約3980万円)で売ろうとしたという。この事実は、同紙の記者らがドバイ(Dubai)の富豪一家になりすましておとり取材を行ったところ、明らかになった。

 ムンバイにいる情報源が同紙に語ったところによると、ラフィク氏はすでに中東の一家からも接触を受けており、もっとも高額なオファーを提示する人物を探しているという。

 同紙は、ルビーナさんと父親のラフィク氏、ルビーナさんのおじにあたるRajan More氏が身分を偽装した記者と写った写真や、ラフィク氏とRajan氏が前週、ムンバイのホテルで同紙側と面会しているビデオ映像を公開した。

 ラフィク氏は記者に対し、「ルビーナの将来を心配している」と述べ、同氏の義理の兄弟Rajan氏に連絡するように語ったという。そこでRajan氏に連絡すると、「養子にしたいのならば、相談に応じよう。だが、彼女の両親は妥当な金額を見返りとして期待している」と述べたという。

 その後、記者らはムンバイ市内のホテルで、ラフィク氏とルビーナさん、Rajan氏、数人の親族と面会した。交渉の席上、ラフィク氏は「2、3か月必要だ」と述べ、Rajan氏が「それまでに金額を交渉し、彼女をドバイに連れて行く」と語った。

 Rajan氏は、「これは、われわれ3人、ここだけの話だ」と述べた上で、「金額は2000万ルピーだ」と語ったという。(c)AFP


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