【5月19日 AFP】今年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で一番の話題作とされている『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull)』。18日のワールドプレミア上映後、会場は参加したプレスの温かな拍手で包まれ、批評家からも高い評価を受けた。

■上映後の反応、おおむね好評価

 シリーズ第4弾にして19年ぶりの新作となる本作品のプロットは極秘にされ、プロモーション活動も最低限にとどめられていた。上映後、監督のスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)氏と制作総指揮のジョージ・ルーカス(George Lucas)氏は、作品への反応を待った。

 タイム(Time)誌の電子版は「スマート、しゃれっけたっぷり、おなじみの面白さ」という見出しの記事で、ハリソン・フォード(Harrison Ford)のアクションやウイットに富んだせりふ回しなどを称賛。ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙は、本作が「インディ・ジョーンズ」シリーズにとって時代遅れの一本となってしまうのではないかという不安は根拠のないものだったと伝えた。ピープル(People)誌は「魔法は健在だ」と報じている。

 一方、英テレグラフ(Telegraph)紙の批評家デビッド・グリッテン(David Gritten)氏は、「駄作ではないが、間違いなく時代遅れ。昔と同じようにさっそうと帽子をかぶっているわけでもなく、以前のような鋭いムチさばきがみられるわけでもない。ハリソン・フォードは実年齢通りの65歳を感じさせてしまう」と、冷静な評を掲載した。

 1981年から89年にかけて制作された「インディ・ジョーンズ」シリーズ3本は、12億ドル(約1250億円)の興行収入を上げている。

■ジョーンズ博士が「息子」と冒険

 作品の舞台は冷戦時代の1950年代後半。今回は、古代のペルーに存在した不思議な力を持つクリスタル・スカルを手に入れるべく、旧ソ連の諜報員を相手にジョーンズ博士が冒険を繰り広げる。

 ストーリーは1957年、ジョーンズ博士が米国の大学に戻った場面からスタートする。博士はそこで、自分が反共主義者から疑いをかけられ、解雇されそうになっていると知る。

 逃亡する途中、シャイア・ラブーフ(Shia LaBeouf)演じる青年マット(Mutt)との出会いがきっかけで、博士はクリスタル・スカルを探し出しす冒険に旅立つ。この旅のもう一つの目的は、マットの母親を助け出すことでもあった。バイクに乗りジェームス・ディーン(James Dean)を思わせるような外見のマットは、実は1作目『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》(Lost Ark)』(1981年)でインディの最初の恋人を演じたカレン・アレン(Karen Allen、役名:マリオン・レイヴンウッド)の息子で、やがて博士の息子だということも判明する。

 同じくクリスタル・スカルを狙う、ケイト・ブランシェット演じる旧ソ連の諜報員が2人を追う。カーチェイスや人食いアリ、地下寺院の秘密などでのアクションシーンが盛りだくさんで登場。軽妙なジョークもたっぷり味わえる。(c)AFP/Deborah Cole

カンヌ国際映画祭の公式ウェブサイト(英語)
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