【2月25日 AFP】アカデミー賞といえば「レッド・カーペット」に到着するセレブたちのファッションも注目されるが、24日に開催された第80回アカデミー賞(80th Academy Awards)授賞式では、ハリウッドの大物女優らが妊娠した「大きなおなか」で堂々会場入りし、スタイリッシュなマタニティ・ファッションで会場を魅了した。

 少し前までは、スター性を失ったり「スクリーンの女神」としての地位に致命傷になるとして、映画女優たちが妊娠中に公の前に姿を見せることはほとんどなかった。授賞式シーズンとあればなおさらだった。

 しかし、そうしたイメージ作りは過去のもののようだ。2002年のアカデミー賞で、出産直前の姿で現れたキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(Catherine Zeta Jones)が『シカゴ(Chicago)』で助演女優賞を受賞したことにあやかろうとしてか、24日の授賞式には3人のスターが「大きなおなか」で登場した。
 
 ウエストの高いエンパイアラインのスタイルがはやっていることも、妊婦セレブたちにとってスター性を損なうことのない「強み」となっているようだ。

■ハイウエストのエンパイアスタイルでボディラインをカバー

 プレゼンターを務めたジェシカ・アルバ(Jessica Alba)は、マルケッサ(MARCHESA)08/09年秋冬コレクションのシルクシフォンのベアトップドレスで登場した。胸元にあしらったフェザーとたっぷりしたプリーツで、妊娠したおなかは目立たなかった。髪を編みあげ、耳元のフープイヤリングとクラッチバッグを、ドレスの濃紫色に映えるゴールドでそろえた。

 印象的な深紫のシルクサテンドレスで現れたのは、3月に出産予定のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)。デザイナーはマタニティウェアの制作では知られていないドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)。首元のビーズとストーン刺繍が印象的なロングドレスで会場の視線を集めた。

 ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)の装いは黒のシンプルなドレス。もともとスレンダーなキッドマンだが、エンパイアスタイルのハイウエストと裾に向かってやかに広がる緩シルエットで、全体をすっきりとまとめた。さらにこの日登場した誰よりもゴージャスな、総計7645個、1399カラットのダイヤモンドをあしらったネックレスを身につけ、注目はおなかよりもこのネックレスに集まった。

 しかし、前日に第二子の妊娠が報道されたばかりのアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)は現れず、一目見ようと駆けつけていたファンの期待に応えなかった。(c)AFP/Philippa Leach