アカデミー賞授賞式「笑いの仕掛け人」、司会者J・スチュアート

【2月23日 AFP】24日に行われる第80回アカデミー賞(80th Academy Awards)授賞式で司会を務めるのは、コメディアンのジョン・スチュアート(Jon Stewart、45)だ。大統領選への辛らつなコメントで知られるスチュアートが、ハリウッド(Hollywood)最大のイベントでもその毒舌を披露し、式典に活気をもたらすことが期待されている。

 2006年の第78回アカデミー賞(78th Academy Awards)授賞式で初めて同賞の司会者を務め、今回は2回目。初回の司会ぶりについては賛否両論で、絶賛する批評家もいれば、「独善的でユーモアがない」と非難する人もいた。ただ、その年の授賞式の視聴率が歴代ワースト2位だったため、スチュアートは今年、最高の笑いを提供して視聴者を勝ち取らねばならない。

 2006年に司会をしたとき、同性愛者を描いた『ブロークバック・マウンテン(Brokeback Mountain)』や、1972年のミュンヘン五輪で起きたイスラエル人選手団の殺害を描いた『ミュンヘン(Munich)』など、物議を醸すテーマのノミネート作品を「笑いのターゲット」にした。

「こちらのスティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督は今回、傑作『ミュンヘン』で監督賞にノミネートされています。監督は『シンドラーのリスト(Schindler's List)』も手掛けました。次作ではユダヤ人にどんな惨事が降りかかるのか楽しみで待ちきれないと、すべてのユダヤ人を代表して言いますよ」

 スチュアートは1999年以来、ケーブルテレビで風刺的ニュース番組『The Daily Show with Jon Stewart』の司会を務めている。番組はリベラル層を対象にしたもので、視聴者は少ないが、熱狂的なファンを獲得。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領政権への容赦ないコメントで米メディアの注目を広く集めている。

 授賞式の生放送を担当するGil Catesプロデューサーは、「ジョンは第78回授賞式で見事な司会を見せた。知的で頭の回転が速く、おもしろく、映画を愛する素晴らしい人間だ。資質としては申し分ない」と評する。

 スチュアートは、『デス・トゥ・スムーチー(Death to Smoochy)』『ビッグ・ダディ(Big Daddy)』『パラサイト(The Faculty)』『マイ・ハート、マイ・ラブ(Playing by Heart)』など数本の映画に脇役で出演している。(c)AFP/Tangi Quemener