【2月4日 AFP】よいよ7日に開幕する第58回ベルリン国際映画祭には、ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)やスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)などの映画スターが登場する予定だ加えて、マドンナ(Madonna)やローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)といった大物ミュージシャンに関係した作品も多数参加する。

 同映画祭ディレクター、ディーター・コスリック(Dieter Kosslick)氏は、「映画界と音楽業界のスターの競演で今年の映画祭は歴代で最も華やかなレッドカーペットのひとつになるだろう」と話す。

 オスカー受賞監督マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)が撮ったローリング・ストーンズのドキュメンタリー『Shine A Light』をオープニング作品としてプレミア上映することについては、「現実とは思えないほど素晴らしいことだ」としている。

 マドンナは監督デビュー作『Filth and Wisdom』を出品。英俳優リチャード・E・グラント(Richard E. Grant)やイタリアのパンクバンド「Gogol Bordello」が出演する作品で、コスリックは彼らを「エミール・クストリッツァ(Emir Kusturica)監督の映画のセットから出てきたようだ」と評している。

 短編作品のパノラマ部門でも、音楽に関連した映画が上映される。ボリウッドのスター、シャー・ルク・カーン(Shah Rukh Khan)が出演する『Om Shanti Om』や、パンクミュージシャンのパティ・スミス(Patti Smith)のドキュメンタリーなどが上映され、2人はライブも披露する予定だ。さらに、ニール・ヤング(Neil Young)、デビッド・クロスビー(David Crosby)、スティーブン・スティルス(Stephen Stills)、グラハム・ナッシュ(Graham Nash)の2006年のツアー「Freedom of Speech Tour」を追ったドキュメンタリー、スーダンのヒップホップミュージシャン、アルゼンチンのタンゴクラブを描いた作品なども上映される。

 映画祭に出席するその他のビッグネームとしては、『Fireflies in the Garden』のジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』のダニエル・デイ・ルイス(Daniel Day-Lewis)、『Elegy』のペネロペ・クルス、『The Other Boleyn Girl』のスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマン(Natalie Portman)などが挙げられる。

 今回のスターの競演についてコスリック氏は、「我々はハリウッド(Hollywood)のスタジオや映画人と、何年もかけて良い関係を築き上げてきたが、それが報われた」と喜びを表した。

 同氏によれば、今年の強みは歴代最多の作品が出品されたことだ。世界103か国から5000作品以上もの映画が出品され、実行委員会が400作品に絞った。

 前年は中国作品『トゥヤーの結婚(Tuya's Marriage)』が金熊(Golden Bear)賞を獲得しているが、今年も引き続きアジアからの秀作が目立つという。前年、コンペ部門に出品された『Lost in Beijing』は、検閲を受けたが、コスリック氏はそれでも中国作品に期待するという。今回上映される中国作品は、ワン・シャオシュアイ(Wang Xiaoshuai)監督の『In Love We Trust』、ジョニー・トー(Johnnie To)監督の『Sparrow』などだ。さらに日本からは山田洋二(Yoji Yamada)監督の『母べえ』も上映される。(c)AFP