【6月30日 MODE PRESS】伊「トッズ(TOD'S)」グループのディエゴ・デッラ・ヴァッレ(Diego Della Valle)会長兼CEOは、イタリアの歴史と文化のシンボルであるコロッセオ(Colosseum)修復をサポートすると昨年12月に発表した。22日、イタリア・ローマで今回の修復プラン内容に関する記者会見が開かれた。

 同遺跡保護プロジェクトのために、デッラ・ヴァッレ会長兼CEOが用意したのは、総額3300万ドル(約27億5000万円)。イタリア文化を守り奨励したいという強い想いがイタリアを代表するブランドを動かした。

 デッラ・ヴァッレ会長兼CEOは今回の支援について「この度の活動への積極的参加はイタリア国民としての信念に基づくだけでなく、“メイド・イン・イタ リー”に注ぐ確固とした信念から生まれたものであります。その技術、伝統、そして文化こそが、イタリアの歴史や伝統に魅了されイタリアで活動するより多く の人々を生み出すきっかけになるでしょう」とコメントを発表した。

 具体的なコロッセオ修復プランは、ローマ考古学分野の行政長官からリクエストを受け、ローマ考古学遺産の指導監督者とトッズグループの出資とのコラボにより生まれた。

■発表されたプラン内容は以下の通り。
1:現在の施錠システムの変更
2:北側、南側の事業内容の校訂
3:建築周歩廊の修復
4:地下の修復
5:装備改良と建築足場の設置
6:国内、海外観光客用サービス、受付エリアの新設や位置変更

 年間500万人もの観光客が訪れるコロッセオの修復作業にあたり、いかなる中断をも回避すべく、上記の全てのプランは、明確なスケジュールにより進められる。門扉、事業内容の校訂、セービスセンターの新設に関するプロジェクト内容は正式に契約で結ばれている。

 トッズ グループは同時に、社会事業の目的のためだけの修復作業やその他先導活動を奨励する非営利団体「AMICI DEL COLOSSEO」をサポート。この援助活動は主に青年、初老の人々のコロッセオへの訪問を奨励する活動にささげられている。

 正面出入り口、内部区分、運搬用や制限された通路エリアを含め、84個の仕切り(パネル)装備を用意。北側修復事業内容には、31個の建築アーチ修復が含まれる。

 石灰華の建材でできた表面面積(建築アーチ本体を含め)は、おおよそ 1万3600平方メートル。修復・保護作業のための新たなるクリーニングシステムが上位研究機関に承認された。このシステムの中には、水しぶきを利用 したクリーニングシステムがあり、圧力や余計な薬品、溶剤を一切使用しない室温の水しぶきを使用する。このシステムにより、堆積した目のあらいほこりを取り除き、長い歴史(年月)によりつくられた自然のつやや古色の名残を残しつつ、表面の黒い汚れのみを溶かすことを可能にする。約10名の熟練の技術者 が一斉に各エリアでこの作業に取り組むことになる。

 コロッセオの広場の南側に位置する堤防に新しいセービスセンターを設置。遺跡の中で行われてきた行事は、直径30メートルエリア内の1600平方メートルの敷地内で構成される予定。

 受付、チケット売り場、ブックショップははじめ、その他サービス機関もこの敷地内に設置予定。このプロジェクトは、ローマの関連各省、地方自治体によって承認されている。(c)MODE PRESS

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