【5月31日 senken h】デザイン界きっての国際イベント「ミラノ・サローネ」が今年もミラノで4月12〜17日に開かれた。インテリアの見本市「イ・サローニ(isaloni)」とデザインイベント「フォーリ・サローネ(FUORISALONE)」で構成するミラノ・サローネには世界から約30万人が集結。毎年注目を高める日本のデザインは、今年も華やかに世界へ羽ばたいた。現地から日本ブースをリポート。

■若手デザイナーも世界に発信
 世界の企業がビジネスに取り組む一方で、ミラノ・サローネは若手デザイナーが自らを世界に発信するチャンスもいっぱいだ。

 イ・サローニには無名の若手デザイナーに門戸を開く「サローネサテリテ(Salone Satellite)」を開催している。ここから第一線で活躍するデザイナーが巣立ち、デザイナーの登竜門として、また企業にとっては新人発掘の場として来場者の人気も高い。年齢制限と3回までという出展制限の中で、各国の若手がユニークでインパクトのあるデザインを競い合った。今年は日本から11組のデザイナーやユニットが参加した。

 ミラノ在住のインテリアデザイナー、安達さくらさんはスチールとキャンバスで、体を横たえることのできるロッキングチェア「SIESTA」を発表した。自然の中でゆったりとしたくつろぎを提案している。3年前の出展でイタリアの企業の目に留まり、昨年は商品化されて企業ブースに並んだ。今回、デザインユニットのF.M.Sは自在に形を変えるキャビネットとテーブル「HAS」でブース前を人だかりにした。箱型キューブ動かしてスペースに合わせた形にできる。

 フォーリ・サローネでは昨年、カリモクのプロジェクト「カリモクスタンダード」で初めて出展した柳原照弘さんが、市内のギャラリーで2回目の展示をした。今回は写真家の鈴木心さんとジョイントし、「日常にある人々の生き方」を写真と家具やインテリアを組み合わせて表現した。(c)senken h / text:村上洋一

【関連情報】
ミラノ・サローネ 公式サイト
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