【8月24日 AFP】米マイクロソフト(Microsoft)のスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)最高経営責任者(CEO)は23日、今後1年以内に退任する意向を発表した。推移の激しいIT産業界で遅れを取らないよう苦心している同社にとって、新たな章が始まることになるだろう。

 発表は驚きをもって受け止められ、同日の株価は上昇した。

 声明でバルマーCEOは「こうした類の移行にとって、完璧なタイミングというものはないが、今が正しい時期だ。最初から、わが社がデバイス・サービス企業へ変革する過程の半ばで退任することを考えていた。この新たな方向へ進むために、わが社にはより長く務めるCEOが必要だ」と述べている。

 バルマー氏は、ハーバード大学の学生だった1970年代来の友人である、マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏から2000年にCEO職を引き継いだ。就任当初の時期、同社はIT産業界の絶対的リーダーだったが、パソコンから携帯端末への移行が進んでいる近年は、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ(Windows)」の提供以外にインパクトを残せず、奮闘してきた。アナリストらからは「機動性の高い方向へ転換するのに失敗した」といった批判の声も聞かれている。

 ITコンサルタント企業ジェー・ゴールド・アソシエイツ(J. Gold Associates)のアナリスト、ジャック・ゴールド(Jack Gold)氏は、バルマー氏の業績を一定評価しながらも「マイクロソフトにとって新しい方向を描き、同社をむしばんでいる問題や誤りをまさに正すときだ。そしてバルマー氏はそれを遂行するに適した人物ではない」と述べている。(c)AFP