【1月30日 AFP】政府が昨年11月に次期戦闘機としてスウェーデンのグリペン(Gripen)戦闘機の導入を決めたスイスの議会に対し、仏航空機メーカーのダッソー(Dassault)が巻き返しを狙って新提案を送ったと、スイス日曜紙ル・マタン・ディマンシュ(Le Matin Dimanche)が29日伝えた。

 同紙によると、ダッソーは議会に書簡を送って同社のラファール(Rafale)戦闘機18機を27億スイスフラン(約2300億円)で提供する案を示したという。同紙は実際にこの書簡を見たとしている。

 スイス連邦会議(内閣)は昨年11月、老朽化したF5戦闘機の後継となる次期戦闘機として、サーブ(Saab)社のグリペン戦闘機22機を31億スイスフラン(約2600億円)で調達する案を選択した。だが議会は、まだこの決定を承認していない。

 スイス上院安全保障委員会のハンス・ヘス(Hans Hess)氏は「確かに私は書簡を受け取った」と同紙に語り、2月13日の会合でこの問題が議論されるとだけ述べた。

 一方、スイスのウエリ・マウラー(Ueli Maurer)国防相は、日曜紙ゾンタークス・ツァイトゥング(Sonntags Zeitung)に対し、新提案については知らないと語った。

 スイスの次期戦闘機の候補にはグリペンとラファール、ユーロファイター(Eurofighter)が挙がっていた。グリペン選定の理由についてスイス政府は、軍の他部門の予算を犠牲にせずに空軍の要求を満たせることを挙げていた。29日現在、この件についてダッソーのコメントは得られていない。(c)AFP