【3月10日 AFP】米誌フォーブス(Forbes)が9日発表した世界の長者番付(2011年版)で、アジア太平洋地域で資産が10億ドル(約830億円)を超える富豪の人数が前年の234人から332人に急増し、初めて欧州(300人)を抜いて世界2位となった。

 1位は依然として米国で413人だった。ただ、世界の富豪数に占める割合はアジア経済の発展に伴って年々減っており、十年前は過半数を占めていたが今では3分の1に過ぎない。

 アジアの富豪数は特に中国で69人から115人に急増。また、香港(Hong Kong)では25人から36人に、インドで49人から55人に増えた。フォーブス誌のルイザ・クロール(Luisa Kroll)シニアエディターは、アジアの隆盛の背景には金融市場の活況と企業を優遇する政府政策があると指摘している。

 欧州では、101人のロシアが最も多く、うち79人がモスクワ(Moscow)在住だった。世界的に見ると、世界の富豪は前年の1011人から1210人に増え、過去最高を記録した。

 世界一の富豪は前年に引き続きメキシコの通信王カルロス・スリム(Carlos Slim)氏で、総資産額は約740億ドル(約6兆1000億円)。2位は米マイクロソフト(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の560億ドル(約4兆6000億円)、3位は米著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏の500億ドル(約4兆1000億円)、4位がルイ・ヴィトンなどのブランドを保有する仏LVMHグループのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)氏の410億ドル(約3兆4000億円)だった。(c)AFP/Sebastian Smith

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