【3月8日 AFP】国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganizationFAO)は7日、世界食糧農業白書(State of Food and Agriculture)を発表した。農業生産高を増やして飢餓人口を減らすには農業における男女平等が不可欠だとしている。

 国際女性の日(International Womens Day)の前日に発表されたこの報告書は、「農村部の女性が土地、技術、金融サービス、教育、市場に関して男性と同等の権利を有した場合、農業生産高は上がり、飢餓人口を1億~1億5000万人ほど減らすことができる」としている。

 ローマ(Rome)で会見したFAOのジャック・ディウフ(Jacques Diouf)事務局長は、「男女平等は崇高な理念というだけではなく、農業の発展と食糧安全保障にとって極めて重要だ」と述べた。

 世界的に見て、土地と農業資源に関しては男女不平等の状態が続いている。統計がある一部の発展途上国では、土地所有者に女性が占める割合は3~20%でしかない。

 報告書を編集したテリ・ラネイ(Terri Raney)氏は、「女性農民による生産高は概して男性農民より低いが、その理由は女性のスキルが低いからではない。耕す畑の面積が小さい上、(女性に)化学肥料や進んだ農具、改良品種の種が行きわたっていないからだ」としている。(c)AFP

【参考】国連食糧農業機関・世界食糧農業白書のページ