【11月6日 AFP】宝くじで当たった1100万ドル(約8億9000万円)の大半を寄付したカナダの老夫婦が、国内で一躍スターとなっている。

 突如、カナダ中の注目を集めている夫婦は、バイオレット・ラージ(Violet Large)さん、アレン・ラージ(Allen Large)さん夫妻。今年7月に宝くじが大当たりしこの大金を手に入れたが、自分たちは必要なものはすべてそろっていると考え、万が一の時に備えて手元に20万ドル(約1600万円)を残した以外はすべて人に贈った。

 夫妻はお金を有効に使ってくれる贈り先をリストアップし、まず始めに家族を、その次に病院や消防隊、教会、墓地、慈善団体などを挙げ、当選金を小切手にして郵送した。こうした決断をした理由について夫のアレンさん(75)は「お金では幸せは買うことができないから」と答えた。

 アレンさんは元溶接工で、現在はノバスコシア(Nova Scotia)州ロウアー・トゥーロ(Lower Turo)で慎ましい家に暮らしている。

 妻のバイオレットさんはがんと闘病中で、化学療法の副作用で毛髪が抜け落ちてしまっているが、吐き気は出ないので自分は幸運だと語っている。

 この夫婦の寛大な贈り物のニュースははじめ住んでいる村の住民にもれ伝わり、尊敬を集めたが、その後カナダ中に知られ、今ではテレビや新聞に夫婦の笑顔があふれている。(c)AFP

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