【8月7日 AFP】香港(Hong Kong)で一番の富豪、李嘉誠(Li Ka-Shing)氏(82)は5日、自らが率いる企業の決算記者会見で、今後も慈善団体への寄付を積極的に続けると述べた。

 もっとも、米富豪のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏とウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏が提唱した財産の半分以上を寄付すべきだという呼びかけには応じない考えを示した。

 米マイクロソフト(Microsoft)を創業したゲイツ氏と、カリスマ投資家のバフェット氏は4日、資産の半分以上を慈善団体に寄付するキャンペーン「The Giving Pledge」に、米国の大富豪40人が賛同したと発表していた。

■財産の3分の1を自らの慈善基金に投じる

 李氏は、複合企業ハチソン・ワンポア(Hutchison WhampoaHWL)と不動産会社の長江実業(Cheung Kong Holdings)の2010年上半期決算を報告後、記者からゲイツ氏らに追随する考えはあるかと問われ、「まず、わたしの健康状態はとても良い。そのことに非常に満足している」と切り出した。

 さらに、慈善団体の李嘉誠基金会(Li Ka Shing Foundation)が過去30年間で主に中国国内の慈善運動に100億香港ドル(約1100億円)を寄付したと述べ、「今後10年で、わたしの基金は過去30年間の実績を超える寄付をすることになるだろう」と語った。李氏は同基金に資産の3分の1を投入したという。

 李嘉誠氏の推定資産総額は213億米ドル(約1兆8200億円)。港湾や地所、通信、公共事業などで巨万の富を得た。李氏は、2月に米経済誌「フォーブス(Forbes)」に香港一の富豪に認定された。また、同誌によれば李氏の資産は2009年に50億米ドル(約4300億円)増えた。(c)AFP

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