【6月23日 AFP】韓国の北朝鮮専門インターネット新聞「デーリーNK(Daily NK)」は22日、北朝鮮がアフリカ諸国での建設プロジェクトなどに労働者を派遣して稼いだ資金を、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が管理する秘密口座に送金していると報じた。

 同紙によると、北朝鮮は、アフリカ諸国における記念碑や大型建造物などの建設などで2000年初め以降、1億6000万ドル(約145億円)以上を稼いだという。

 さらに、この資金は、国営企業や金融機関をコントロールするなどして金総書記の個人資金を調達している朝鮮労働党39号室(Department 39)が管理しているという。

 同紙は中国の消息筋の話として、「この資金は、一部が国内統治に使われ、残りは金総書記の秘密資金としてスイスかマカオ(Macau)の秘密口座に入金されている」としている。

 アフリカでの建設プロジェクトは、万寿台創作社(Mansudae Art Institution)の管理下に置かれているという。同社は北朝鮮国内では、金総書記一族を崇拝させるための銅像や記念碑を建設しているという。

 北朝鮮は、ナミビアから6603万ドル(約60億円)、アンゴラから5450万ドル(約49億円)などの受注を受けているほか、セネガルでは推定1500万ユーロ(約17億円)の「アフリカン・ルネサンス・モニュメント(African Renaissance Monument)」建設も受注した。

 専門家によると、金総書記の個人資金は、厳しい経済情勢や国際社会からの制裁などで徐々に減りつつあるという。(c)AFP