【4月22日 AFP】高級毛織物「カシミヤ」の原料となるカシミヤヤギのクローン12頭を作ることに中国の科学者らが成功したと、中国の国営新華社(Xinhua)通信が21日報じた。体毛の成長を増強するよう遺伝子を操作しており、カシミヤ毛糸の増産が期待されるとしている。

 新華社によると、クローン化されたのはアルパス種のカシミヤヤギで、内モンゴル大学(Inner Mongolia University)の科学者らが内モンゴル自治区エルドス(Erdos)の農場で実験を行った。農場の責任者の話として、2~3月に14頭のカシミヤヤギのクローンを作り、このうち12頭に、カシミヤ素材となる柔毛の成長を増強する遺伝子の獲得が確認されたと伝えている。

 従来種から採取できる柔毛は1頭あたり年間600グラムだが、クローンヤギは年間1キログラム良質のカシミヤを産出できるという。

 内モンゴル大学のクローン化技術は、心臓血管の健康を維持し脳機能や視覚の向上にもつながるとされるオメガ3脂肪酸を多く含む牛のクローンの作成にも応用され、成功を収めているという。ただ、このクローン牛の肉や牛乳にオメガ3脂肪酸が含まれているかどうかについては詳細は不明という。(c)AFP

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