【3月25日 AFP】拡大する電子書籍市場に対応するため、国内の出版社31社は23日、「日本電子書籍出版社協会」を設立した。日本語の電子書籍のフォーマットや法的な問題を協議し、読者が電子書籍で読みたいと考える分野についての分析などを行う。

 代表理事となった野間省伸(Yoshinobu Noma)講談社(Kodansha)副社長は、電子書籍市場が出版業界に与える影響を無視できないと指摘した。

 日本の電子書籍市場の規模は推定で約460億円。ほとんどは携帯電話やパソコンからの利用だ。

 ソニー(Sony)やパナソニック(Panasonic)などの日本の電器大手は電子ブックを発売しているが、利用者は伸び悩んでいる。アマゾン(Amazon)の電子書籍端末「キンドル(Kindle)」も国内で販売されているものの、日本語版はまだ未投入だ。

 日本の出版社は、アマゾンや他の電子書籍端末メーカーが人気作家に高額の使用料を支払い、作品の配信権を独占する可能性を危ぐしてきた。

 協会は出版業界の交渉窓口として機能することはなく、配信に関しては端末のメーカーが各出版社と協議することになるという。

 野間代表理事は、協会の設立目的について、紙媒体と電子媒体の相乗効果によって両市場を拡大することであり、媒体がどちらであろうと、作家を見つけて育て投資するという出版社の使命に変わりはないと語った。(c)AFP