【11月18日 AFP】世界各国の汚職実態を監視するドイツの非政府組織(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」は17日、2009年版汚職度調査を発表した。長年政府が機能していないソマリアや戦争で混乱するアフガニスタンが、世界で最も汚職に犯されている国としてリストアップされた。

 調査は企業関係者や専門家が、汚職がないクリーンな状態を10点、汚職がまん延した状態を0点として各国の汚職度を判定したもの。

 2009年は過半の国が5点以下で、「非常に憂慮すべき状態」だという。また、紛争でインフラが壊滅状態にある国では、深く根付いた汚職文化を払しょくするために、外部からの助けが必要だと指摘している。

 6年前の米主導の進攻から混乱が続いたイラクは1.5点と、前年の1.3点からわずかに改善し、順位も2つ上がった。

 逆に、アフガニスタンは前年の1.5点から1.3点に下がり、不正が横行した選挙の末、再選が決まったばかりのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領を非難する新たな材料を与える結果となった。

 今週、カルザイ大統領の2期目の就任式を控えるアフガン政府は16日、欧米の懸念を緩和するため、大規模な汚職撲滅チームを結成したと発表した。

 最も汚職がはびこる国は、貧困と紛争に苦しむアフリカの角(Horn of Africa)に位置するソマリア。約20年の間機能する政府を持たず、得点は1.1点だった。

 アフリカ諸国がランキングの下位20国の半分を占めた。中には、27年間の内戦が終わり、アフリカ最大の石油輸出国として台頭してきたアンゴラも入っている。

 順位を下げたのは紛争で混乱する国ばかりではない。主要7か国(G7)の一角であるイタリアは、前年の55位から63位に順位を下げた。

 上位5か国はニュージーランド、デンマーク、シンガポール、スウェーデン、スイスだった。(c)AFP