【9月28日 AFP】金融機関やボーナス、租税回避地、規制緩和が金融危機の原因であり、改革の要だという「神話」はそれほど重視すべきではない――。経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)がこのほどまとめた報告書で、主要20か国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)で議題となった改革の分野について、このような認識を示した。

 報告書やAFPの取材によると、OECDは金融機関の資本強化や関連する新ルールは正しい方向に進んでいるとしつつ、ボーナス問題などに注力することは「原因を無視した対症療法」であり、「本末転倒」だと指摘。本質的な問題に取り組まない場合、効果より有害な面のほうが大きいとして、これまでほとんど議論されてこなかった以下の問題に注目すべきだと主張している。

-金融機関内部に「ファイアウオール」を構築し、破たんの「感染」拡大を防ぐ。

-企業リスク管理責任者を役員会内に設置し、最高経営責任者(CEO)の影響を受けず自由に発言できるようにする。これにより、役員会が完全に情報を把握し、役員らのインセンティブ(奨励給)ではなく株主利益に注力する状況を確保する。

-金融機関幹部の就任要件について、現行の犯罪歴の有無のみでなく、適切な能力があり業務に精通していることを条件とする。

-先進国の税制を改革する。これは、現状では国内における税優遇制度によって、国外事業体と複雑な証券化金融商品の合法的利用が促され、税の減免効果が最大限利用されているため。

(c)AFP/Hugh Dent