【5月8日 AFP】トヨタ自動車(Toyota Motor)が8日発表した2009年3月期の連結決算は、世界経済の鈍化をうけ、最終損益が前年の1兆7200億円の黒字から大きく転落し、4369億円の赤字となった。トヨタの最終損益が赤字となるのは初めて。

 営業損益は、前年の2兆2700億円の黒字から大きく減らした4610億円の赤字、売上高も前年比21.9%減の20兆5300億円だった。

 今期業績が赤字に転落した理由について、トヨタの渡辺捷昭(Katsuaki Watanabe)社長は、特に欧米市場での自動車販売の落ち込み、対ドル・ユーロ為替レートにおける円高、原料価格の高騰を挙げた。

 世界最強を誇ったトヨタの業績落ち込みは、経済低迷で消費者が自動車を買い控えたことによる自動車販売の不振がもたらした世界規模での自動車産業危機が、いかに深刻であるかを物語るものだ。

 トヨタは、2010年3月期の連結業績を純損失が5500億円、営業損失が8500億円と、さらなる損失の拡大を予想している。

 渡辺社長は、ハイブリッド車ラインアップの強化やコスト削減を通じて業績を改善したいと語った。(c)AFP