【9月30日 AFP】米国のヘンリー・ポールソン(Henry Paulson)財務長官は29日、金融安定化法案が下院で否決されたことに対し、「失敗させるにはあまりに重要だ」と述べ、今後も計画策定に取り組む姿勢を示した。

 ポールソン財務長官は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領との会談後、「今後も、経済安定化の包括計画を議会に承認させるため、議会指導部との協議を続ける。米経済の悪化見通しに歯止めをかけることで米国民を守る」と語った。

 また、ポールソン氏は、「世界中の市場が圧力を受けている」とともに、米国民の間でも危機感が高まっていると警告し、たとえ米規制当局が既存の権限の範囲内で全力を尽くしたとしても、痛みをやわらげることができる程度であり、十分ではないと語った。

 ポールソン氏は、最大7000億ドル(約73兆円)の公的資金で金融機関などから不良資産を買い取る金融安定化法案が、法案に反対する共和党議員と民主党の一部議員の造反で、米下院で反対228票、賛成205票で否決された後、ホワイトハウス前で会見し、「否決に失望している。しかし両党指導部は大変な努力をした。彼らと話したが、彼らも強く失望していた」と述べた。

 米銀行大手が破たんする状況にもかかわらず、ポールソン財務長官は、米国の金融システムは「さまざまな圧力があるなか、非常によく持ちこたえている」と述べた。(c)AFP