【4月8日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は7日の理事会で決定した財政再建策の一部として、保有する金の約12%にあたる403.3トンを売却する方針を発表した。

 売却されるのはIMFが保有する金、約1億340万オンスのうち約1300万オンスで、関係者によると売却額は約110億ドル(約1兆1000億円)に上る見込み。

 IMFは経済が危機的状況にある国に対する貸し付け利子を主な歳入源としてきたが、借入国減少とともに必要となった機構再編に今回の金の売却額をあてる。

 ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事は声明の中で、金売却による資金をIMFの財政補強や、収入源となるより多様な融資先を対象とする基金設立へ振り向けると述べた。

 IMFは現在、コストおよび人員の集中的削減の渦中にある。貸し付け減少の理由には、IMFの条件付き援助を嫌う国があることも含まれる。

 IMF関係者によると、市場の混乱をさけるため、金は数年をかけて売却する意向。欧州の金市場では年間約500トンの取引があるが、それでも市場に劇的な影響をもたらす可能性があるという。 (c)AFP/Veronica Smith